こんにちは。しらたまです。
先日、小池修一郎先生のおすすめ作品をご紹介させていただきました。
「初めて宝塚を見るなら小池修一郎先生がおすすめ」とご案内させていただきましたが、文学作品や、フランス革命などの史実が好きな方は生田大和先生もおすすめです!!!
とても繊細な物語構成かつ大胆な演出の生田先生作品には、いつも感動させられます。
今回は私が大好きな演出家の一人、生田大和先生(以下:生田先生)の作品についてご紹介させていただきます。
生田先生のプロフィール
生田先生は、2003年宝塚歌劇団に演出家助手として入団されます。
2010年、バウホール公演『BAND/NEON上海』で演出家デビュー。
2014年、『ラスト・タイクーン』で大劇場公演デビューを果たします。
出身大学は慶應義塾大学。小池修一郎先生と同じ大学出身ということで、もはや運命を感じます。
※生田先生のエピソードが面白い※
生田先生は、作品の他に、その特徴的な性格、発言がよくヅカオタの間で話題になります。
いくつかエピソードを紹介すると、
・ヨーヨーが上手い
・タカラジェンヌに憧れてバレエを習い始めた
・蕎麦つゆを自作する
蕎麦つゆを自作・・・。すごい!!!
このこだわりの強さと繊細さが舞台にも活かされているんですね。
生田先生おすすめ作品5選
春の雪
『春の雪』の原作は、三島由紀夫の長編小説「豊饒の海」の第一巻「春の雪」です。
2012年月組バウホール公演で、明日海りおさん主演で上演されました。
・あらすじ
侯爵家の若き嫡子・松枝清顕と、幼馴染である伯爵家の美貌の令嬢・綾倉聡子との禁断の恋を通して、優雅を規範とする矜り高い青年が、その胸の内にどこまでも美化された理想と、己の力及ばぬ現実との狭間で揺れた末、求め続けた真実の愛を見出していく姿を描いたミュージカル作品。
宝塚歌劇団公式ホームページより引用
この作品は、2008年ごろから、生田先生が明日海りおさんにぜひ主人公を演じてほしいと温めてきた作品だったそうです。
明日海りおさんといえば、こじらせ男子の演技がすごくハマっているジェンヌさんでした。三島由紀夫の描く男性は、コンプレックスを抱え、鬱屈した感情を心に抱えているイメージがあります。
『春の雪』の主人公、松枝清顕もそんなコンプレックスを抱えた青年で、明日海りおさんのイメージによく合います。
また、演出も素晴らしく、バウホールという大劇場と比べると限られた空間が、大きく広がりを持って見えます。
ドン・ジュアン
『ドン・ジュアン』は、モーツァルトのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』を原作としてフランスで製作されたミュージカルで、2004年にカナダで初演されました。
2016年、雪組公演にて日本初上演。また、2019年、2021年には、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔さん主演で公演が行われています。
生田先生は全ての公演で、潤色・演出を担当されています。
・あらすじ
女と酒、そして快楽を求め続け、数多の女達を魅了するセクシーなプレー・ボーイ、ドン・ジュアン。
ある晩、いつもの如く女との愛を愉しんでいたドン・ジュアンは、女の父である騎士団長の怒りに触れ、決闘に至る。闘いの果て、ドン・ジュアンは勝利を収めるが、騎士団長は「いつか、『愛』がお前への罰になるだろう」という言葉を遺し、事切れる・・・やがて遺された言葉は呪いのように亡霊の姿を得て、ドン・ジュアンに付きまとうようになる。
事件の後、そんな呪いの言葉も恐れる事無く、ドン・ジュアンは変わらずに快楽を貪り続ける。しかしそんな日々の中、運命に導かれるように、かつてドン・ジュアンが殺した騎士団長の石像を作る彫刻家の娘、マリアと巡り会う。それは、ドン・ジュアンを苦しめる「愛の呪い」の始まりであった・・・
宝塚歌劇団公式ホームページより引用
この作品、宝塚に珍しいくらい官能的な作品だと思います!!
いや・・・この作品を選ぶなんてさすが生田先生です!
主演の望海風斗さんの圧倒的歌唱力も素晴らしい!
舞台がスペインということもあり、フラメンコの要素をふんだんに盛り込んだダンスがとても情熱的で、かつ破滅的なストーリーが、とても耽美で魅力的です。
CASANOVA
私が生田先生作品の中で一番好きな作品はこの『CASANOVA』です!!
2019年大劇場花組公演にて上演されました。主役は当時のトップスター・明日海りおさん。
生田先生は、脚本・演出を手掛け、音楽はなんと、『1789』なども手掛けたフランスの人気作曲家、ドーヴ・アチア。夢のタッグです!
・あらすじ
18世紀ヴェネツィアに生まれ、ロココ文化華やかなりしヨーロッパ諸国を跳梁(ちょうりょう)した稀代のプレイボーイ、ジャコモ・カサノヴァ。詩人や作家、聖職者、詐欺師、錬金術師、そしてスパイ……様々な貌(かお)を持つカサノヴァが辿った数奇な人生を基に、愛と夢に彩られた冒険譚を明日海りお主演のオリジナル・ストーリーで綴るスペクタクル・ミュージカル大作。
数々の女性と浮名を流し、ヴェネツィアの風紀を乱した罪で「鉛屋根の監獄」に投獄されたカサノヴァは周到な計画を立て、見事脱獄を果たす!!……折しもヴェネツィアはカーニヴァルの日を迎えている。その人混みに乗じて逃亡を試みるものの、脱獄したカサノヴァがカーニヴァルに紛れている事に気がついた街の女達がこぞって彼を助けようとしたばかりに、かえって大騒動となる!!……その最中、カサノヴァは一人の女性と出会う。修道院での行儀見習いを終えたばかりというヴェネツィア総督の姪、ベアトリーチェ。彼女との出会いが、カサノヴァの運命を大きく揺り動かして行く。
理想の愛を求め、彷徨い続けるカサノヴァが最後に辿り着くところとは……宝塚歌劇団公式ホームページより引用
水上都市ヴェネツィアを舞台に、カサノヴァの新たな冒険が今、幕を開ける……!!
この作品、よくよく考えると、中身がないかもしれないけど、すっごい楽しい!!
謎の魅力で女性を次々と虜にしていくカサノヴァ。どんなフェロモン振り撒いたらそうなるんでしょうか・・・。
で、やっぱり音楽も素晴らしい!!!
いい意味で何も考えず、純粋に楽しめる作品だと思います。
シャーロック・ホームズーThe Game Is Afoot!ー
皆が知っている、あの有名な探偵『シャーロック・ホームズ』
イギリスの小説家、コナン・ドイルが生み出したこの探偵の物語は、様々な監督の手によって、映画やドラマになっています。
そんなホームズを、2021年宙組大劇場公演にて生田先生が舞台化されました。
・あらすじ
19世紀末イギリスの小説家コナン・ドイルが生み出した不滅のヒーロー、シャーロック・ホームズ。その人並み外れた洞察力と観察力、そして変装術を駆使する名探偵の縦横無尽の活躍を描いた「シャーロック・ホームズ・シリーズ」は、時代と世代を超えて今尚、様々なメディアで世界中の人々を魅了し続けています。
稀代の名探偵、シャーロック。その宿敵となるジェームズ・モリアーティ教授。ただ一人、シャーロックの心を動かした「あの女」、アイリーン・アドラー・・・
「罪を追う者」。 「罪に生きる者」。 そして、「罪を背負う者」・・・
「罪」によって分かち難く結ばれた三人のキャラクターの描き出す幾何学模様(トライアングル・インフェルノ)!宝塚歌劇団公式ホームページより引用
「人」とは? 「罪」とは? そして「愛」とは?
初めて生田先生の作品を観る方は、この作品がおすすめです。
有名なキャラクターが主人公なのと、程よいアクションもありエンタメ性が高く、初めて宝塚を観る方にも、楽しめる作品ではないかと思います。
巡礼の年〜リスト・フィレンツ、魂の彷徨〜
皆様は、フランツ・リストという音楽家をご存知ですか?
曲を聞けば、「あ、知っている」となる方も多いと思いますが、ショパンでもなく、ベートーヴェンでもなく、リストを舞台化する。
大劇場公演で。リストを選ぶ・・・。(もちろんリストは有名な音楽家なのですが、私的に結構玄人向けのイメージが強く・・・。)
2022年花組大劇場公演にて上演されました。
・あらすじ
ピアノの魔術師と称され、19世紀初頭のヨーロッパで絶大な人気を博したピアニスト、フランツ・リスト。超絶技巧に彩られた情熱的な演奏と、女性達を虜にしてやまない類まれな美貌でパリのサロンを席巻し、瞬く間に時代の寵児となった彼が追い求めたものとは…。
ハンガリー人である事を自認しながら、その生涯の中で母国語を話すことができなかったフランツ・リスト。自身の本質的なアイデンティティである“リスト・フェレンツ”として生きる事をその胸の内で願いながら、一方でカリスマ性を秘めたスター“フランツ・リスト”であることを自ら欲し、そして周囲から求められ…その狭間で生きる人生に次第に葛藤を覚えていく。
自らの“魂”の居場所を探し、ヨーロッパ中を彷徨い続ける若き日の彼の姿を、運命の恋人マリー・ダグー伯爵夫人とのロマンスを中心に、最大の好敵手でもあるショパンとの友情を交えて描く。自己とは、自分とは。そして、自分らしく生きるとは何か? を問いかけるミュージカル作品。
宝塚歌劇団ホームページより引用
この作品は、リストの栄光の裏に隠れた苦悩に胸を打たれます。
そして、舞台セットと衣装が華やかで素晴らしいです。どこか現代的でスタイリッシュさも出しつつ、当時の時代の雰囲気を失わないセットと衣装のバランスの良さが魅力的です。
まとめ
生田先生演出の魅力
生田先生は、宝塚歌劇団の演出家の中でも、かなり個性的な演出をされる先生だと思います。
ただ、その脚本・演出がクセになる!!
今からちょっとだけ生田先生の魅力をご紹介していきたいと思います。
主人公が栄光の影で苦しんでいることが多い
生田先生脚本・演出の主人公って成功して、地位も築いて、表向きには大成功してるのに、裏で自分とは、生きるとは・・・。って悩んでいることが多いんです。
でもそうですよね、私も外から見られる自分と、本当の自分のギャップに戸惑うことがあるくらいなので、有名人なんて比じゃないくらい悩みますよね。
そう、主人公にちょっと共感してしまうこの感じ。
そして、自己とは何か、なんのために生きるのか、という人生のテーマを生田先生の作品からはいつも感じます。
こだわりを感じる演出
生田先生の作品には、薔薇の花びらがよく使われます。
『春の雪』では、血の代わりに薔薇の花びらが、『ドン・ジュアン』でも薔薇の花びらが降ってくる演出があります。
この演出がすごく綺麗。
赤い薔薇の花びらで、血を表現するなんて、耽美ですよね。
生田先生の次の大劇場公演演出は雪組
2023年11月〜2024年2月の雪組大劇場公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』は生田先生の脚本・演出となっています。
公演スケジュールやチケット情報は公式ホームページをご確認ください。↓
また、6月28日(水)まで東急シアターオーブにて月組が行なっている公演『DEATH TAKES A HOLIDAY』も、生田先生の潤色・演出です。
月組公演は、6月24日(土)16:00〜ライブ配信があるので、生田先生演出を観てみたい!という方は是非チェックしてください!!
ライブ配信の視聴方法は以前記事にまとめています↓
いかがでしたでしょうか。
生田先生の演出はとても繊細で、哲学的なものが多く、舞台を通して私達も考えさせられることが多くあります。
好き嫌いが分かれる演出家の先生ではないかと思いますが、ハマればとことんクセになると思います!!
生田先生の演出が好き!という方は、是非雪組の大劇場公演を観劇しましょう!!
大劇場で観る宝塚の舞台はとても迫力があって、華やかで、一度観ると沼にハマること間違いなしです!!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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