こんにちは。しらたまです。
先日、ミュージカル『イザボー』を観劇してきたので感想を書いていこうと思います。
『イザボー』あらすじ
百年戦争の時代。バイエルン大公の娘として生まれた少女は、やがて隣国フランスの王妃イザボー・ド・バヴィエールとなる。
夫であるシャルル6世はイザボーをこよなく愛したが、ある出来事を境に狂気に陥ってしまう。破綻した王政につけ入り、権力を掌握しようとするのはシャルル6世の叔父ブルゴーニュ公フィリップとその息子ジャン。彼らと対立するシャルル6世の弟オルレアン公ルイは、イザボーと不貞の関係となり、彼女が権力を獲得するために助力していく。
混沌の時代の中で、イザボーは愛と衝動のままに生き抜こうとする。のちにフランス・ヴァロア朝の第5代国王となるシャルル7世は、義母ヨランド・ダラゴンと共に、実の母であるイザボーの生き様を辿っていくこととなる。フランスの歴史上でもっとも嫌われた最悪の王妃の生きた道を──。
公式ホームページより
脚本/演出は、舞台『刀剣乱舞』や『TRUMP』シリーズなど人気作品を手掛ける末光健一先生。私も大好きな脚本家です。
『イザボー』のキャッチフレーズは、「その日、フランスは堕ちた。最悪の王妃の手によって。」
何この超かっこいいキャッチフレーズ、期待しかない!!!
『イザボー』キャスト
イザボー・ド・バヴィエール/望海風斗
シャルル七世/甲斐翔真
シャルル六世/上原理生
ブルゴーニュ公ジャン/中河内雅貴
オルレアン公ルイ/上川一哉
ヨランド・ダラゴン/那須凛
ブルゴーニュ公フィリップ/石井一孝
観劇感想
!!以下、ネタバレを含みます!!
↓ ↓ ↓
全体感想
まず、セットがシンプル!!
円形状の階段が2層式になっていて外側の階段が開くと内側に小さい階段があるというとてもシンプルな構想。そして2層とも回転(多分人力)するようになっているのですが、
この回転がめちゃくちゃ速い!!
ええ・・・?役者さん落ちない?目回らない??と心配になるくらいの回転スピード。しかし、そこはさすがの皆様、階段を何事もないかのように降りてくる。
セットは基本この2層式階段だけ。テーブルや椅子など細々したセットは出てきますが、大きな場面転換はありませんでした。
が、このシンプルな舞台でもこんなに色々な見せ方があるのか!!と感動。演者が総出で階段に乗っての登場、階段頭頂部からのイザボーの登場、階段を見上げる民衆、外側階段が開き、内側からの演者の登場などなど様々な使い方。すごい!!
衣装も独特。イザボーの衣装はどれも素敵でしたが、特に印象に残ったのは、赤い皮を使ったドレス。その時代に皮と布で作られたドレスがあったのかはわかりませんが、まさにRPGゲームに出てくる悪い女王が着ていそうなドレスでした。
イザボー以外の登場人物の衣装は黒が基調になっていましたが、物語の中に出てくる少女時代のイザボーは白い衣装で、それがイザボーのまだ純粋だった少女時代を強く感じて胸が苦しかったです。
ストーリーは、私がこの時代のフランスをあまりよく理解していないため、人物の関係性がよくわからなかったり、史実がわからない部分はあったのですが、イザボーを中心に時代に翻弄された人々の物語。という印象を受けました。
この時代の女性は、女性とはこうであるべき、こうしろ、と価値観を押し付けられ、とても窮屈だっただろうなと思うとイザボーが全てをぶっ壊したくなる気持ちもわからなくもないような・・・。
音楽も素晴らしかったです!!何回も同じ曲を歌詞を変えて歌うミュージカルが多い中、『イザボー』の音楽は様々な曲調で歌われていてどの曲もかっこよかったです。挑戦的でした。
全体的に末光作品らしくストーリーは漫画やラノベっぽい、という印象があったのでアニメや漫画が好きな方もハマる舞台なのではないでしょうか。
キャスト別感想
望海風斗/イザボー・ド・バヴィエール
流石のぞさん!!一音目から圧すごい!!!ビジュ最高!!
カッコよくて綺麗で性格悪い役がとても似合う!!
愛しあっていたはずのシャルル6世が妄想と狂気の世界から戻ってこなくなり、イザボーのことを忘れ去ってしまうというなんとも悲痛な展開になってしまうのに、塞ぎ込むでもなく、権力を狙う男たちに立ち向かい一人で生き抜くことを選んだイザボー。「私の人生は私が選ぶわ」うん。心は辛いのに、そのはっきりとした強い意思に清々しい気持ちにもなりました。
最後の上から花びらが降ってくるシーンでは、とんでもなく大量に落ちてきて望海さん花びらで窒息しないか心配になったほど。
もうとにかく安定の望海風斗。歌はもちろん、強く傲慢で奔放なのにどこか脆く弱さを感じさせるイザボー。その演技力、やっぱりすごいです。
甲斐翔真/シャルル七世
『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』では望海風斗さんと恋人同士だった甲斐翔真さん。
今回は親子という関係で登場。切り替えすご。
甲斐翔真さんの声量があって音に厚みがある歌声、個人的に好きです。
でもでもでも!!想像してたより出番少ないんですけど!?回想タイプの舞台なのか・・・もっと登場シーンあると思ってたのになぁぁぁ〜・・・。と少し不満に思いつつ1幕終了。
2幕目からイザボーとシャルル七世の絡みきたー!!そして戴冠式のマント姿かっこいい。
憎み合う親子と聞いていましたが、憎み合うというより母親より王妃という立場をとったイザボーと、母親に愛されたかったシャルル七世という感じに私は見えました。
甲斐翔真さんは誠実でまっすぐな青年の役がよく似合いますね。
上原理生/シャルル六世
前々からいい声だなぁー・・・。と思っていた上原さん。やっと生で歌声を聴くことができました。
バリトンヴォイスがとても心地よい。
そして狂気に満ちたお芝居もすごかった!!!
セリフはそこまで多くはなかったのですが、存在感がすごくあり狂気の中にいて妄想に怯えている王ではありましたが、正気に戻った時は優しくゆったりいい声で話していてめちゃくちゃ王様でした。
中河内雅貴/ブルゴーニュ公ジャン
テニミュ以来のがうち。毎年沢山舞台に出ているのにタイミングが合わず今回やっと生で観ることが叶いました。
やっぱり悪い役にあう!!!
最初は父が権力を握るタイミングを虎視眈々と狙っている悪いやつで、ジャンはそこまで狙ってないけど父には逆らえない。という感じなのかなと思っていたら、ジャンもめちゃくちゃ権力狙ってた。いいよ。そんなハングリー精神旺盛なキャラ好きです。
振袖みたいな袖の長い衣装も似合ってて素敵でした。
イザボーとのタンゴのシーン、もうちょっと二人でダンスしてるシーンがみたかったな。というのが正直な感想。
中河内雅貴のダンスがもっと観たい。次こそ「ムーラン・ルージュ」は、がうちが出ている回を観ようと決意しました。
上川一哉/オルレアン公ルイ
上川さん、観劇する舞台によく出演されているのですが、透明感のある優しい声が心地よく感じます。
今回は、イザボーと協力関係(?)にある役どころ。
そもそも妻帯者なのにイザボーのこと本気で好きになったの?ん?兄への嫉妬?本当のところどっち?というあまり感情が読めない役だなという印象でした。
意外にあっさり殺されてしまうのが不憫だし、この後のシーンは出てこないのかと思うとちょっと寂しかったです。
那須凛/ヨランド・ダラゴン
那須凛さん、今回の『イザボー』で初めて知りました。お顔も小さくとても綺麗な方ですね。
シャルル七世と行動を共にする役柄なので、2人大体一緒のシーンなのですが、ハモリ綺麗。
シャルル七世の「僕の母親は貴方です」と言われた時に「貴方はイザボーの物語を知らなければならない」的なセリフから物語が始まるのですが、ヨランドは最初イザボーを敵視しているのかなと思っていたのですが、同じ女性としてイザボーの生き方に何か共感するものがあってシャルルに教えようと思ったのでしょうか。
ストーリーテラー的な立ち位置だったのですが、笑いが出る場面もあり、重たいストーリーの中でいい抜け感を作り出してくれるキャラでした。
石井一孝/ブルゴーニュ公フィリップ
まず、イケオジの早口ミュージカルナンバー最高!!かっこいい!!
さすが石井さん!!早口歌唱は超聞き取りやすくて重厚感がありました。
裏から権力を握ろうとあれこれ画策する役なのですが、いち早くペストでお亡くなりに。
だから!!もっと観たかった!!なんでみんなお亡くなりになるのそんな早いの!?
イザボーから見ると、フィリップとの思い出は嫌なものばかりでなく、少女時代のいい思い出もあったはずですが、フィリップの方はイザボーをどう思っていたのでしょうか。
もっとフィリップが権力を欲しがるようになる過程が知りたいです。
次回の『MOJOプロジェクト』にも期待
ミュージカル『イザボー』は、「Musicals of Japan Origin project」というワタナベエンターテイメントが提案する日本発のオリジナルミュージカルにこだわった企画の第一弾になります。
確かに、ミュージカルといえば『レ・ミゼラブル』や『エリザベート』『ミス・サイゴン』といった海外発の作品ばかりな印象はありますよね。
最近は韓国発のミュージカルも増えてきましたが、日本のオリジナルミュージカルはまだまだ少ないように私も感じます。
原作がないオリジナル脚本で日本初のミュージカルってワクワクしませんか?どんなストーリーなのか全くわからない作品って当たり外れが大きかったりすると思うのですが、私は外れても「今回の作品は自分のタイプではなかったな」で終わってワクワクが勝つタイプ。
なのでこの企画、私は今後めちゃくちゃ期待しています!!!
Xでは末光先生が次の構想をチラッとポストされていましたが、次回からも脚本は全て末光先生が手がけるのでしょうか。
末光作品大好きな私としては楽しみで仕方ないのですが、できればいろんな脚本家のミュージカルを観てみたい!!是非、沢山の脚本家が活躍できる企画になって欲しいなと思っています。
日本からもこんな良いミュージカルが生まれるんだぞ!!と世界に発信できる作品が出てくることを心待ちにしながら、第二弾のために馬車馬のように働いてお金を貯めようと思います!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
⭐︎よろしければ応援していただけると嬉しいです⭐︎
↓ ↓ ↓
にほんブログ村
ミュージカルランキング
コメント